お題:おべんとう
今日帰りに通りすがりのお店の前で、懐かしい香りをかいだで思い出したことがあります。
その香りとはお弁当の香りです。たぶん近くにお弁当屋さんとかレストランがあったのでしょう。
自分が通っていた幼稚園は、お昼には給食というかお弁当が出ていました。
メニューはもう覚えていませんけど、幼児向けにかわいいお弁当箱に入ったものを配られ、クラスで輪を作って食べていたような記憶があります。
お弁当箱は全員同じデザインのものでした。
そんなある日、当時仲良しだった女の子に配られたお弁当箱だけが、なぜかいつもとちょっと違うデザインでした。
あとからわかったのですが、業者の方でお弁当箱を新しくしていたらしく、ちょうどその入れ替え最中で古いタイプと新しいタイプのお弁当箱が一混じっていたようでした。
いまでこそお弁当箱なんて中味さえちゃんとあればどうでもいいですけど、子供にとっては重要なことのようでした。
たまたま彼女に配られたものだけがデザインが違ったため、レアなものに見えたようで、たくさんの園児たちがそのお弁当箱を交換してと言い始めたのです。
私自身もそのお弁当箱がほしくて(といっても持ち帰るわけではなく、食べ終わったら回収されるためごく一時的な所有であるのだが)、お気に入りのおかず1つあげるから交換してほしいというようなことを言った記憶があります。
本当にどうでもいい事なのですが、幼い子供にとっては誰ももっていないものを持つことがすごいことだったのかもしれません。それがたとえ、ただのお弁当箱だったとしても。
その後お弁当騒動がどうなったのか覚えてないんですけど、きっと先生が騒ぎを止めてお弁当を食べたのだと思います。
何気ない物が、子供にとっては宝物になるのでしょうね。