お題:終戦記念日
平成最後の終戦記念日を迎えました。戦争についての政治的な問題や国内国外の様々なことについては、戦後の平和の中に生きた私ごときが語れるものではありません。
ですが、太平洋戦争という言葉をきいてよく思い出すことがあります。
私の祖父はかなり前に亡くなってますが、兵隊として戦場に出兵しました。戦時中の事はあまり話しませんでしたが、とにかく食べ物がなくてひもじかった事、食べ物がなくて靴の皮を煮て食べたということは話してくれました。
孫の私の事はいつも可愛がってくれて、玩具やお菓子を買ってくれる優しいおじいちゃんでした。子供の頃、よくデパートに買い物に連れて行ってくれました。
ある時レストランで、お子様ランチを頼みました。お子様ランチと言えば、ライスの上に小さな旗が立っているのが定番だったりします。
その時立っていたのは、アメリカの国旗でした。
祖父は急に顔色を変えて、こんなものつけるなんてとんでもない!と言ってその小さなアメリカの旗をもぎ取って破り捨ててしまったのです。
一緒にいた親戚も、おじいちゃんってばしょうがないねえという程度で、私も子供でしたからあまりその事については深く考えませんでした。もちろん食事も、何事もなかったように終わりました。
今でもその事はよく覚えています。
太平洋戦争が終わって何十年もたっても、アメリカへの憎しみが祖父の中にあり続けたのでしょう。
祖父は亡くなるまで優しくしてくれました。でも心の中にはずっと戦争があり続けたのだと思います。もし戦争がなければ、普通にアメリカの音楽や食べ物を楽しんだりしていたかもしれません。
祖父のことから戦争が終わっても、悲しみや憎しみが消えることはないと思うのです。