猫とおえかきと東京巡り

愛猫の写真とイラスト、時々東京観光も書きます

ひゃくにゃんいっしゅ

『ひゃくにゃんいっしゅ』四十三、権中納言敦忠(ごんちゅうなごんあつただ)

平安中期の歌人。本名は藤原敦忠で、美形かつ恋多き人物であったという。琵琶の名手で琵琶中納言とも呼ばれていた。 愛しい女性と過ごしたから、その女性の飼う猫も昔に比べて好きになってしまったらしいです。

『ひゃくにゃんいっしゅ』四十二、清原元輔(きよはらのもとすけ)

平安中期の歌人。36番清原深養父の孫で62番清少納言の父。この歌は失恋した人に頼まれて詠んだとされており、清原元輔自身が体験した事柄ではないようだ。 元輔自身はひょうきんな一面がある人物であったらしい。 縄張りを決して超えない、律儀な猫達がいた…

『ひゃくにゃんいっしゅ』四十一、壬生忠見(みぶのただみ)

平安中期の歌人。 村上天皇の御前で、40番平兼盛と忍ぶ恋をテーマに歌で対決した時に詠まれた歌。平兼盛に敗北し精神的ショックを受け、それが元で悶死したという記録が残っている。 猫は敏感なので、人の気持ちはすぐに察知するのです。

『ひゃくにゃんいっしゅ』四十、平兼盛(たいらのかねもり)

平安初期から中期の歌人。58代光孝天皇のひ孫もしくは玄孫とされるが、家柄の割には官位が低かった為、系譜には様々な説が考えられている。 猫は人の心がわかります。猫なりに心配しているようです。

『ひゃくにゃんいっしゅ』三十九、参議等(さんぎひとし)

平安初期から中期の公卿。参議等は役職名で本名は源等。第52代天皇嵯峨天皇のひ孫。 この歌は古今和歌集にある歌を本歌取り(有名な歌の一部を自作の歌に取り入れる手法)したものである。 猫への想いがあふれてきます。

『ひゃくにゃんいっしゅ』三十八、右近(うこん)

平安時代中期の女流歌人。多くの男性と恋愛関係にあり、この歌では藤原敦忠の事を描いていると言われている。 猫はある分野については忘れっぽいと言われていますが、猫なので神様も許してくれるでしょう。

『ひゃくにゃんいっしゅ』三十六、清原深養父(きよはらのふかやぶ)

平安時代前期の歌人で、清少納言の曽祖父。位は従五位下とギリギリ殿上人であったようだ。 明け方になるとやってくる暁の猫達。月が見えなかったのは、猫が体の後ろに隠してしまったせい。

『ひゃくにゃんいっしゅ』三十五、紀貫之(きのつらゆき)

平安時代前期から中期にかけての歌人で「土佐日記」で有名。日本の文学史上重要な人物である。 猫の香りはリラックス効果があります。

『ひゃくにゃんいっしゅ』三十四、藤原興風(ふじわらのおきかぜ)

平安前期の歌人。官位は低かったが、古今和歌集では代表的な歌人とされている。 高砂(現・兵庫県高砂市南部)にはずっと生きていると言われている、有名な猫がいるようです。

『ひゃくにゃんいっしゅ』三十三、紀友則(きのとものり)

平安前期の歌人で紀貫之のいとこ。「古今和歌集」の撰者となったが、完成する前に没する。 桜の木で遊んでいる猫達と、仲良くなりたいのですが逃げられてしまったようです。

『ひゃくにゃんいっしゅ』三十二、春道列樹(はるみちのつらき)

平安前期の歌人。なかなか出世に恵まれず、ようやく壱岐守(長崎県壱岐市)に任命されたが、赴任する前に死去してしまったと言われている。 イタズラして紅葉を川に流す猫達。ちょっと風情があります。

『ひゃくにゃんいっしゅ』三十、壬生忠岑(みぶのただみね)

平安前期の歌人で生没年不詳。位は低いが歌の才能は一流であり評価は高かった。 有明の猫再び。この猫が出没すると仕事が始まる時間だよという合図になり、憂鬱になっていたそうです。

『ひゃくにゃんいっしゅ』二十九、凡河内躬恒(おおしこうちのみつね)

平安時代前期の歌人で位は低かったが歌才に優れ、紀貫之と並び歌人としての名声は高かった。 正岡子規はこの歌について「初霜が降りたぐらいでは白菊が見えなくなるはずもなく、嘘の表現である」と酷評をしている。 白菊が白猫の中に交じってもすぐわかりま…

『ひゃくにゃんいっしゅ』二十八、源宗于朝臣(みなもとのむねゆきあそん)

平安前期の歌人で光孝天皇の孫であるが、あまり出世をしなかったと言われている。「大和物語」には位が上がらない事を宇多天皇に嘆く歌が残されている。 人も猫も足跡だけ残して立ち去り、もうこの冬山には誰もいないようです。

『ひゃくにゃんいっしゅ』二十七、中納言兼輔(ちゅうなごんかねすけ)

平安中期の歌人で本名は藤原兼輔。25番三条右大臣は義父であり、共にこの時期の歌会の中心的人物であったとされる。ひ孫に紫式部がいる。 泉を水飲み場として猫が集まっていたんだとか。

『ひゃくにゃんいっしゅ』二十六、貞信公(ていしんこう)

本名は藤原忠平(ふじわらのただひら)で平安中期の貴族。59代宇多天皇から62代村上天皇まで摂政・関白・太政大臣を歴任した。 この歌で行幸されるのを待っているのは60代醍醐天皇とされる。 一面の紅葉の中では、猫もさぞかし映えるに違いないのです。

『ひゃくにゃんいっしゅ』二十五、三条右大臣(さんじょうのうだいじん)

三条右大臣は通称で本名は平安初期から中期にかけて活躍した歌人で藤原定方(ふじわらのさだかた)。名前の由来は三条に住んでいた事にちなむ。第60代醍醐天皇は甥。 夜の見張り猫がいるようですね。

『ひゃくにゃんいっしゅ』二十四、菅家(かんけ)

平安時代初期の貴族、菅原道真の別名。宇多天皇に重宝され要職についたが、皇位を巡る策略をした罪で大宰府に左遷させられる。 この歌は左遷させられた時に歌われたもの。 猫の形の葉っぱは切り抜いて作ったのでしょう。

『ひゃくにゃんいっしゅ』二十三、大江千里(おおえのちさと)

平安前期の歌人。十六番中納言行平、十七番在原業平の甥。儒学者であり唐時代の詩文集『白氏文集』(はくしもんじゅう)の影響を受けた歌が特徴。 秋はどこか寂しいというのは定番の歌。 今夜は満月なのでぴったりですね。季節は冬ですが。猫に何か悲しい思…

『ひゃくにゃんいっしゅ』二十二、文屋康秀(ふんやのやすひで)

平安前期の歌人。小野小町と親密だったらしく、三河の国へ赴任する時に小町を誘ったと言われている。 百人一首・三七番の文屋朝康は康秀の子。 秋の風に吹かれて、ちょっと寒そうなにゃんこたちです。

『ひゃくにゃんいっしゅ』二十一、素性法師(そせいほうし)

十二番・僧正遍昭が出家する前の子供で、父の遍照と共に宮廷歌人として宇多天皇の時代に活躍した。出家する前の名前は良岑玄利(よしみねのはるとし)。 この歌は女性の立場になって、恋人を待ち夜明けを迎えてしまった女人の心情を歌ったもの。 猫は明け方…

『ひゃくにゃんいっしゅ』二十、元良親王(もとよししんのう)

十三番陽成院の第一皇子で美しい声を持ち尚且つ、色も好んだと言われる。この歌は宇多天皇妃、京極御息所との不倫が発覚した後の歌。 澪漂は浅瀬を知らせる印で、大阪市章にも使われています。

『ひゃくにゃんいっしゅ』十九、伊勢(いせ)

平安中期の女流歌人。 伊勢守・藤原継蔭の娘であり本名は不明。宇多天皇の寵愛を受け、宇多天皇崩御後、その皇子の敦慶親王とも結ばれるという恋多き女性。 猫の足も短いですが胴体は長いです。

『ひゃくにゃんいっしゅ』十八、藤原敏行朝臣(ふじわらのとしゆきあそん)

平安前期の歌人。非常に優れた文字を書き教養もあった為、沢山の経典の書写を依頼されたと言われている。 この歌は女性の立場になり歌われたものである。 猫の目から隠れるのは、そうしないと猫がゾロゾロついてきてしまうからなのかも。

『ひゃくにゃんいっしゅ』十七、在原業平(ありわらのなりひら)

十六番目の在原行平の弟。宮中きっての美男子かつプレイボーイでもあり、天皇の婚約者を恋し誘拐したりと奔放な振る舞いをしていたようである。 また伊勢物語の主人公「昔男」は在原業平であると考えられている。 川がなくなって無数の猫がいたら、業平でな…

『ひゃくにゃんいっしゅ』十六、中納言行平(ちゅうなごんゆきひら)

本名は在原行平。第51代平城天皇の孫で兄弟達と臣籍降下する。この歌は因幡守へ任命された際の送迎会で歌われたもの。 猫がいなくなってしまった時に、この歌を書き猫が使っていた食器や寝床のそばに貼ると、猫が帰ってくると言われています。「ノラや」を執…

『ひゃくにゃんいっしゅ』十五、光孝天皇(こうこうてんのう)

第58代天皇。この歌は天皇になる前の時代に詠まれたもの。元々天皇になる予定はなかったらしく、政治は藤原基経に委任していた。 当時の春は1月。君が誰なのかは不明ですが、将来の天皇がお供一人のみ連れて、野山で自ら七草を集めている時の歌だそう。 子で…

『ひゃくにゃんいっしゅ』十四、河原左大臣(かわらのさだいじん)

本名は源融(みなもとのとおる)。嵯峨天皇の皇子だが臣籍降下し源氏となる。源氏物語の主人公・光源氏のモデルだと考えられている。 十円玉に描かれている平等院はこの源融の別荘である。 猫にも心乱れるというか、心躍ります。

『ひゃくにゃんいっしゅ』十三、陽成院(ようぜいいん)

平安初期の第57代天皇。 官人であった源益が、何者かに宮中内で撲殺されるという前代未聞の殺人事件が発生。陽成天皇が首謀者あるいは関与したと見られたため退位し、太上天皇となる。 これは綏子内親王への愛をつづった歌である。 陽成天皇の後即位したのが…

『ひゃくにゃんいっしゅ』十二、僧正遍照(そうじょうへんじょう)

平安時代の初期の歌人で桓武天皇の孫。後に出家して天台宗の僧となる。この歌は出家する前に詠んだもの。要約すると「五節舞の女の子もっと見てたいんだけど」な歌。 小野小町に恋をしていたということで、昔から有名。 猫の舞はかなり見てみたいです。